生活保護で同居している大学生を世帯分離できるのか

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皆さん、こんにちは。世の中は、格差がどんどん激しくなり、厳しい生活を強いられる人は増えています。そのため、生活保護を受ける人、または、受けようと考えている人は増えていることでしょう。ところで、生活保護をうけている世帯で、子供が大学に進学した場合、どうなるのでしょうか。

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生活保護を受けている世帯で、大学に進学した子供が同居したまま、生活保護を継続できるのか。また、世帯分離とはなんなのか。大学生のお子さんをもっている方、注意して読んでください

生活保護で同居している大学に進学している子供は世帯分離になるのか

生活保護 世帯分離 同居 大学まず、ここでいう世帯分離とはなんでしょうか。この世帯分離を理解するには、生活保護における世帯単位の原則というのを理解しないといけません。少し、難しいですが、注意深く読んでください。

世帯単位の原則について、いきましょう。生活保護法第10条は、生活保護を決定する場合の単位として、世帯を原則とすると定めています。これは、各個人の経済生活は通常世帯を単位として営まれており、したがって、生活保護を必要とする生活困窮という事態は、世帯員のある特定個人についてあらわれるものではなく、世帯全体に同じ程度で、あらわれるからである。

世帯とは、通常社会生活上の単位として、居住及び生計をともにしている者の集まりをいうが、生活保護法に決められている「世帯単位の原則」における「世帯」は、主に生計の同一性に着目して、社会生活上、現に家計を共同にして、消費生活を営んでいると認められるひとつの単位をさしている。

同一居住、同一生計の者は、原則として同一世帯と認定することとしているが、これは、生計を一にしているか違うかの認定が容易な同一居住という目安を用いることとしたものである。このような目安として、他に重要なものとして、居住者相互の関係(親族関係の有無 濃密性など)がある。

なお、同一居住は同一生計の判定の上で重要ではあるが、一つの目安であるにすぎないから、同一の住居に住んでいなくとも、社会生活上、同一世帯として認定するのが適当な場合がありえます。例えば、夫が出稼ぎにでているとか、あるいは、世帯員の誰かが入院している場合とかは、一時的なものであって、一定の期間が終了すれば、再び、他の世帯員の住んでいる住居に戻って、生活するわけですから、居住が異なっていたとしても、同一の生計を営んでいるものであり、これを同一世帯として認定することとなります。

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以上が、世帯単位の原則の話です。お分かりいただけたでしょうか。それでは、これをふまえて、世帯分離とは何かのはなしをしていきます。

生活保護は、世帯を単位として行うのが原則であるが、生活保護法第10条但し書きにおいて、これによりがたい時は、個人を単位として生活保護について決定するとなっています。個人を単位として生活保護について決定するということは、その個人を世帯から分離して取り扱うことにほかならないので、この措置を世帯分離といっています。世帯分離とは、世帯単位の原則によれば、生活保護法の目的である最低生活の保障にかけるとか、生活保護を受けている世帯の自立を損なうと認められるような場合に、同一世帯ではあるが、別世帯と同じように扱うという措置であるので、世帯の事情を考慮して、決めるように細心の注意をはらうようになっています。

世帯分離をする効果は、分離によって、生活保護をうけない事となった者が、生活保護基準に定める最低生活の枠内に入れられるという制約を受けないという天にある。

さて、それでは、同居している子供が大学に進学している場合、その子供を世帯分離できるのでしょうか。結論からいえば、できます。なぜでしょうか。

生活保護で同居している大学に進学している者は世帯分離になるとは?

現在、生活保護の場合、子供が高校に進学する事は認められています。かつては、子供は中学までで、中学を卒業したら、働いて、収入を得て、その世帯ができるだけ早く、生活保護から自立するというものでした。そもそも義務教育は中学までなので、高校へいく必要はないという考え方も根底にあったと思います。

しかし、現在、90%以上の世帯の子供が高校へ進学しています。つまり、法的には高校は、義務教育ではありませんが、実際にはほとんどの人がいっているので、実態としては義務教育みたいなものです。今どき、高校へ行かないとよっぽど何か問題があるのではないかと思われてしまいます。就職するにしても、中学卒業者と、高校卒業者では、全く扱いが違います。結果として、高校の進学を認めないとたいしたところにも就職できず、貧困の連鎖が生まれてしまうと考えられています。だから、現在は、高校性については進学しながら、生活保護を受けています。

それでは、大学生の場合は、どうなのでしょうか。さすがに、大学は、一般世帯のほとんどが進学しているわけではないので、難しいところです。しかし、最近では、大学についてもかなりの世帯が進学しているのも事実です。最近、皆さんも聞いた事のないような大学をたまに見かけることがあるのではないでしょうか。生活保護においては、子供が大学へ行く事を否定はしていません。なぜかといえば、子供が大学へ行けば、その生活保護世帯にとって、その子供が大学卒ということで、いいところに就職できれば、貧困の連鎖を断ち切ることができるからです。

しかし、さすがに大学へ進学するための費用は、生活保護では支給されません。そこで、考えられたのが、世帯分離という方法です。つまり、その大学に進学している子供は、生活保護世帯と同居していてもいいが、その代わり、その子供だけ生活保護を受ける事ができないというものです。その子供の生活費は、その子供が自分でまかなうという事になります。

生活保護で同居していて大学に進学している者が世帯分離で気をつけることは?

生活保護を受けている世帯で、同居している子供が大学に進学して世帯分離になった時に、何に気をつけないといけないでしょうか。例えば、同居している大学生が世帯分離になっている場合に、病気になってしまったらどうなるのでしょうか。世帯分離になっているという事は、生活保護を受けていないという事になります。その場合は、医療費を生活保護で支給する事はできません。そのため、その同居している大学生は、国民健康保険に入っておく必要があります。通常、世帯分離になる時に、市役所の職員からその同居している大学生に対し、世帯分離になる直前くらいに必ず国民健康保険に入るように言われるとおもいます。(もし、市役所の職員がアホで、その事をいわなかったら、ここで学びましょう。そして、市役所の職員に国民健康保険に入らなくていいんですかと聞いてみてください) そのため、国民健康保険だと、3割が自己負担になってしまいますので、注意してください。結構、3割負担はきついです。だからといって、病気なのに、病院へ行かないわけにはいきません。例えば、その世帯分離されている同居している大学生が入院してしまって、一時的に大学へいけない場合は、一時的に世帯分離を解除する事もできます。特に入院すると、お金がかかるので、このへんは要注意です。

まとめ

いかがでしょうか。生活保護を受けている人は、大学へなんかいってはいけないのではと思っていた人も多いのではないのでしょうか。そんな事はありません。生活保護制度は、最終的に世帯が自立する事を目標とするものです。同居している子供が大学に進学した場合は、世帯分離という制度がありますので、しっかりこの制度を使いましょう。何かコメントがあったら遠慮なくお願いします。

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