生活保護の不正受給の匿名による通報があるとどうなるのか

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皆さん、こんにちは。消費税が上がり、マイナンバー制度の導入が決定されて、皆さんの情報が把握されてしまうことになります。政府は、とにかく、税収を上げたいのでしょう。一方で、生活保護受給者に対する生活保護費は、どんどん、削っています。ところで、生活保護では、最近、不正受給が話題になっています。市役所にも、匿名による不正受給の通報があるようです。このような場合、どうなるのでしょうか。

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生活保護における匿名による不正受給の通報があるとどうなるの?

生活保護 不正受給 通報まず、不正受給とは、生活保護法に違反して、生活保護を受けていることをいいます。最近は、生活保護受給者が増えているため、生活保護の不正受給は増加傾向にあります。一番、典型的な不正受給として、働いて得た収入があるのに、市役所に申告しないとか、年金をもらっているのに、市役所に申告しないというのがあります。これは、生活保護法第78条違反といわれます。この生活保護法第78条とは、どんな条文でしょうか。とりあえず、生活保護法第78条第1項をみていきましょう。

生活保護法第78条第1項は、おかしな申請、その他不正な手段により、生活保護を受け、又は他人をして受けさせなた者があるときは、生活保護費を支給した都道府県又は市町村の長は、その費用の金額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する金額に100分の40をかけて得た金額以下の金額を徴収することができると定められています。ぞくに78といわれるものです。このような不正受給は、通常、年1回(市役所によっては、年2回のところもありますが)、行われる課税調査によって、市役所に申告されていない収入が発見された場合、不正受給とみなされ、この生活保護法第78条が適用されることになります。また、匿名による通報によって、不正受給が発覚する場合があります。例えば、よくあるのが、あの人は、母子家庭ではなく、男と一緒に住んでいるとかです。そうなると、世帯認定の問題なります。世帯認定とは、同じ家に一緒に住んでいる人は、すべてひっくるめて、生活保護が必要か判断するということです。だから、もし、その世帯が、母子家庭ということで、生活保護を受けている場合は、問題になります。母子家庭であれば、まず、子供が一人いるだけで、母子加算というものが、月額約2万円追加されます。しかし、男性が一緒に住んでいるとなれば、話は、別になります。もちろん、母子加算はでませんし、そもそも、その男性に収入があれば、生活保護の受給の必要性にも疑問符がつきます。大変な問題です。市役所できちんと調べてもらう必要がありますが、実際はどうなるのでしょうか。

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生活保護の不正受給が匿名による通報で発覚するとどうなるのか

匿名で、(匿名でなくても同じですが)生活保護の不正受給について、市役所に通報したとしても、市役所は、その人が生活保護を受けているかどうかは、答えてくれません。なぜならば、個人情報だからです。しかし、話を伝えることは、できます。だから、市役所に調査してくださいとお願いすることは可能です。しかし、具体的な回答はもらえないでしょう。なぜならば、さきほど、述べたとおり、個人情報だからです。それでは、市役所は、匿名による不正受給の通報があった場合、調査するでしょうか。まったく、何もしないということはないでしょう。よほど、その担当者がやる気がない場合は、話が別ですが。(もともと市役所の職員は、面倒な仕事は嫌がりますから) 例えば、母子家庭に男が住んでいるという匿名による通報の場合は、まず、生活保護受給者本人にきくでしょう。もちろん、生活保護受給者は、嘘をつくに決まっています。しかし、市役所の職員としては、一応、調べたことになります。別の方法としては、その母子家庭の家に男ものがないかを調査する可能性があります。原則として、市役所の担当者は、生活保護受給者の家を定期的に訪問し、家の中をみることになっています。もちろん、タンスをあけたりはしません。しかし、その定期訪問の時に、それとなく、男の気配がないか調査する可能性はあります。特に市役所の担当者が女性の場合は、そのへんの勘は、するどいでしょう。あとは、民生委員にきくパターンです。民生委員は、地域のことに詳しいので、一番情報源としては、重要です。しかも、個人情報も伝えることができます。

生活保護の不正受給が匿名による通報があったときはどうなるのか

あと、生活保護の不正受給の匿名による通報で、あの人は、健康で仕事をしているのに、何で生活保護を受けているんだみたいなことがいわれる場合があります。これは、具体的な会社がわかれば、生活保護法第29条によって、その会社に問い合わせすることができます。これは、比較的容易に行うことが可能です。

ただ、通常は、まず、その生活保護受給者に、こういう通報があったんだけど、実際のところはどうなのか聞き取りをします。そこで、その生活保護受給者が自白してしまえば、それで、おしまいです。あとは、不正受給で、お金を返してもらうだけです。ただ、そこで、嘘をつかれると、先程の生活保護法第29条に基づく調査によって、その会社に調査を行います。まず、隠す会社はないでしょう。隠すとすれば、余程、小さな会社か、悪徳な会社です。

一番、困る匿名による不正受給の通報は、あの人は、あんなに元気で若いのに、生活保護を受けているんだというパターンです。一番その場合で、よくあるのが、精神疾患で生活保護を受けている場合です。精神疾患は、見た目では、分かりません。特に最近、若い人の間で、精神疾患の人が増えています。そううつ病の場合、そう状態の時は、元気なわけですから、はたから見ると、元気に見えるわけです。

また、精神疾患でなく、健康だが、仕事が決まらず、生活保護を受けている人がいます。現在、飲食業界や建設業界は、人手不足なので、就職はできそうな感じがします。しかし、生活保護を受けた人は、その世界にはまってしまうとなかなか働こうとしません。そのため、かたちだけの就労活動を行うだけになり、当然、やる気のない人は、企業は採用しません。その結果、生活保護受給期間がどんどん長くなってしまうわけです。最近では、就労支援事業などを行う市役所が増えているようですが、本人の同意を得たりなど、なかなかうまくいかないようです。また、就職しても、人間関係がうまくいかず、辞めてしまうケースがかなりあるようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。生活保護における匿名の通報による不正受給がどのようになっているのかお分かりいただけたでしょうか。まあ、実際には、匿名による具体的な不正受給の通報はありません。あるとすれば、余程、その人は、何か人間関係でやらかして、うらみをかってしまったんでしょう。普通は、生活保護の匿名による具体的な通報は、ありません。余程の場合でしょう。生活保護に限りませんが、あまり、波風は、たてないほうがよいでしょう。特に、生活保護に対しては、厳しくなっています。政府もそうですが、世間でも、生活保護というと、なんか悪いことでもしているような目で見られてしまう傾向があります。気をつけてください。

ただし、利用できる制度は、利用してください。生活保護制度は、手厚い制度です。きちんとした知識を備えることが、自分の生活向上につながることは、間違いありません。

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不正受給?高収入のお笑い芸人の親が生活保護を受けていいのか?

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皆さん、こんにちは。何年か前に、あるお笑い芸人の親が生活保護を受けていると報道されました。そのお笑い芸人は、年収で、3000万円、いや5000万円もらっているなどといわれ、何で、そんなにたくさん収入をもらっているお笑い芸人の親が生活保護を受ける事ができるのか、不正受給ではないのかという批判がでました。感情論としては、分かりますが、たくさんの収入をもらっているお笑い芸人の親がお笑い芸人と別のところに住んでいて、生活保護を受けるのは不正受給になるのでしょうか。

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生活保護の扶養義務と不正受給はどう違うのか。(お笑い芸人を例にとって考えましょう)

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まず、生活保護を受けるにあたって、扶養義務が優先されます。それでは、生活保護の扶養義務ってなんでしょうか。例えば、生活保護を申請した人の親や兄弟や子供がいる場合、かれらが、その申請した人を助ける義務を扶養義務と言います。これだけ聞くと、じゃあ収入をいっぱいもらっているお笑い芸人は扶養義務があるので、助けなくてはいけない。だから、親を助けないで、その親が生活保護を受けているのは、不正受給だと思ってしまうかもしれません。しかし、それは全く違います。よく、ここのところを理解していない方が多いので注意して下さい。結論から言えば、不正受給ではありません。

生活保護制度には、扶養義務というのがありますが、それは任意で行うものとされています。生活保護を申請すると、市役所から扶養義務者に生活保護の申請者に援助できませんかという文書がいきます。(申請者と同一市内に住んでいる時は、直接訪問してくる場合があります) そして、その回答書に扶養できるか、できないか記載する欄があるので、その欄に扶養できないと記載すれば、すべて終了です。なぜなら、扶養義務は任意であり、任意とは扶養義務者が援助する意志がなければ、援助しなくて大丈夫だからです。この扶養義務は民法に基づくもので、扶養義務者の収入は関係ありません。

だから、収入のあるお笑い芸人に限らず、扶養義務者が地主で、たくさんの不動産収入がある人や大企業の会社員、自衛官などの公務員の親が生活保護を受けているケースはかなりあります。自衛官の場合など、思わず国を守る前に、自分の親を守れよとつっこみたくなりますが、援助する気はありませんと回答してしまえば、うまくいき、不正受給にはなりません。一応、扶養義務者に届く回答書には扶養できない理由を記載する欄があるので、もし、子供がいれば、子供にお金がかかるとか、自分が病気であれば、医療費がかかるためとか、何でもいいから、理由は書いとけばいいでしょう。別に理由については問題になりません。ただ、回答がないとしつこく文書が来る可能性があるので、面倒であれば扶養できない旨を回答しておいたほうがいいでしょう。でも、別に回答しなくても何もペナルティーはありません。親もしくは、子供に対する扶養義務については、生活保護が決定した後も、年に1回、扶養義務の手紙が来ますが、これも扶養できない旨、回答すれば、問題ありません。

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かつては、厚生労働大臣の兄弟が生活保護を受けているという事が週刊誌で報道されました。この政治家は、厚生労働大臣になる前に、講演料や本の印税などで多額の収入を得ている有名な学者でした。そのため、その生活保護を行っている市役所がわざわざこの政治家のいるところに扶養できないか訪問したが、断られてしまい、結局、生活保護は継続されたままです。しかし、扶養義務はあくまでも任意なので、扶養義務者が援助したくないと回答すれば、それまでなのです。全く、不正受給にはなりません。だから、お笑い芸人の場合も不正受給にはならないのです。これが、現在の生活保護制度です。だから、あなたが、無年金の親がいて、面倒をみるのが大変な場合は、どうすればいいのでしょうか。

まず、世帯を別にしなくてはなりません。そして、生活保護の申請をすれば、本人にお金がなければ、間違いなく生活保護は決まるでしょう。はっきりいって、生活保護が決まれば、金銭的には楽です。家賃が4千円のアパートとして、地域にもよりますが、約10万円余は支給されるでしょう。そして、医療費は無料で、病院へ行く交通費もでます。もちろん、入院した場合、入院医療費や入院食事代も無料です。また、介護保険制度を利用した場合、通常1割の負担が発生しますが、生活保護であれば、それもタダです。また、市役所の担当ケースワーカーがつきますので、おおまかな状況は把握してくれます。いよいよ在宅生活が厳しくなってしまった時は施設入所する事になりますが、この時も市役所の担当者が探してくれます。(ただ、いいかげんな市役所の職員だと探してくれませんが) そして、その施設が決まった場合、その施設に入る入居一時金(上限はあります)や布団代などおおむねかかる費用一式は生活保護の毎月のお金とは別に支給されます。もちろん、施設にはいってからかかる費用も生活保護費で賄われます。最近は、生活保護の人が入る施設でもきれいな施設はあります。また、施設に入る前に扶養義務者の人が見学に行く事もできます。最近、高齢者虐待などの問題がクローズアップされていますが、生活保護制度を活用すれば、かなり問題は解決されるでしょう。

だから、収入の高いお笑い芸人の親が生活保護を受けても不正受給にはなりません。

生活保護の扶養義務で不正受給になる場合(お笑い芸人を例にとって考えましょう)

扶養義務は任意なので、扶養義務を行わなくても、不正受給にはならないという話はしました。それでは、逆に扶養義務者が扶養義務を行い、不正受給になってしまうのはどういった場合でしょうか。

例えば、お笑い芸人を例にとって考えてみましょう。収入の高いお笑い芸人が、生活保護を受けている親に今月はたくさんのギャラが入ったので、5万円の仕送りをしたとします。この仕送り収入についてお笑い芸人の親が市役所に申告していない場合、不正受給になります。つまり、本来であれば、お笑い芸人の親は仕送り収入を申告して、市役所は、その申告に基づいて、毎月支給している生活保護費から仕送り収入の金額分を差し引きます。

だから、逆に下手に親に仕送りを送って、そのままにしておいて、後で市役所にばれると、不正受給になります。特に、親名義の通帳に振込みをしたりするとばれるケースがあります。最近では、市役所によっては、預金通帳の写しを毎年提出させているところもありますので、気をつけて下さい。また、市役所は生活保護受給者の預金調査を行う事が可能です。あやしまれると、この預金調査が行われる可能性があります。だから、親が生活保護を受けたら、金銭的な事は、生活保護にまかせて、精神的な支えに徹するのが一番いいでしょう。たまに様子を見るとか、高齢者になれば、病気で入院する事も多いので、入院の手続きをするとか金銭面以外の事を行うのがいいでしょう。そうすると、市役所も助かるので、市役所の職員も人間ですから、この人は問題ないなと思われて警戒がゆるみます。ただ、忙しければ無理に時間を作って行う事もないと思われます。どうしても扶養義務者の手が必要な時は、市役所から連絡がきますので、それまで待っていればいいのです。

生活保護の扶養義務の今後(お笑い芸人を例にとって考えましょう)

さて、生活保護制度の扶養義務は任意なので、援助しなくても問題がないと説明してきましたが、ひとつだけ気にかかる点があります。これは、かなりマニアアックな知識で、市役所の担当職員でも知らない人が多いでしょう。 生活保護を受けている人の子供が明らかに多額の収入を得ているとします。その場合で、子供が、扶養したくない、要は援助したくないと回答したとします。その場合、市役所はその子供に明らかに扶養能力があると判断した場合は、生活保護法第77条第1項の規定に基づいて扶養するよう家庭裁判所に申し立てをする事ができます。もし、家庭裁判所が扶養しなさいと審判した場合は、その子供は扶養しなくてはならなくなります。しかし、この家庭裁判所の申し立てはほとんどというかおそらく行われた事はないでしょう。なぜ、行われないのでしょうか。原則としては、扶養は生活保護を受けている人と扶養義務者で話し合って行ってもらうのが基本だからとなっていますが、最大の理由は市役所にとって、面倒な仕事だからというのが本音でしょう。

だから、本来ならばお笑い芸人については、この家庭裁判所への申し立てを行えばいいのです。しかし、ニュースになってないところを見ると実際には行われていないのでしょう。ただ、現在の安倍政権は、生活保護制度に対し、今までの政権に比べると厳しい姿勢でのぞんでいるのでどうなるかはわかりません。でも、現実にはこの制度は、もめる可能性が高いので、行われないでしょう。不正受給に対しては、厳しく行っていくでしょうが、扶養義務に関しては、あまり踏み込めないでしょう。だから、収入の高いお笑い芸人の親が生活保護を受けても何ら問題はなく、不正受給でもないので、自分の親が生活保護を受けるうえで、きちんとした知識さえあれば、何も問題ありません。市役所の人にあなた年収あるでしょ、扶養できるでしょといわれても、扶養はあくまでも原則として任意なので、ひるむ事はありません。

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