生活保護で寿司を食べるのは問題ですか(しかも40皿)

皆さん、こんにちは。景気は良くなっているのかよくなっていないのか分かりませんが、少なくとも、景気がよくなっていると実感している人はほとんどいないのではないでしょうか。ところで、生活保護を受けている人が寿司を食べている、おかしいんじゃないか、しかも40皿もという話を聞きます。確かに寿司はぜいたくな食べ物というイメージがあります。それでは、生活保護を受けている人は寿司を食べてはいけないんでしょうか。(例えば、40皿も食べるとか)

生活保護で寿司を40皿食べるという話はどこからでたのか。

生活保護を受けている人のコメントで、寿司を40皿食べていたという話が出たのは、ある母子家庭からです。2009年に、麻生内閣の時に母子加算というのが廃止されました。母子加算というのはなんでしょうか。

母子加算とは、父母の一方、もしくは、両方が欠けているか又はこれに準ずる状態にあるため、父母の他方又は父母以外のものが児童(18歳になる日以後の最初の3月31日までの間にあるもの又は障害者で、20歳未満の者)を養育しなければならない場合に養育にあたる者に支給されるものであります。

これに準ずる場合とは、どんな場合でしょうか。まず、父母の一方又は両方が常時介護を要する身体障害者又は精神障害者である場合です。また、父母の一方又は両方が1年以上にわたって、入院中、法令により拘禁されている場合です。他にも父母の一方又は両方がおおむね1年以上にわたって、行方不明の場合、又は両方が子供を1年以上、遺棄していると認められる場合です。あと、父母の一方がDV(家庭内暴力)を受けている場合です。

このような世帯を母子世帯と呼び、母子加算として、子供が一人いると月額2万円ちょっとの生活保護費が追加されていました。簡単にいえば、片親だと子供を育てるのが大変だから、生活保護費を多めに支給しようという事です。

ところが、2009年に麻生内閣の時にこの母子加算が廃止されました。そのかわりに働いていくらか収入のある世帯には、月額1万円が支給されるようになりました。生活保護を受けている母子家庭は、何らかの事情で働いていない世帯のほうが多いので、母子加算の廃止は生活保護費の大幅な減額につながりました。その時、ある母子家庭が、月に1回、家族みんなで、回転寿司に行き、40皿くらい食べるのが楽しみだったのに、それができなくなったとコメントしていました。寿司40皿も食べるなんて贅沢だという批判や、そもそも生活保護世帯が外食なんかするなという批判もありました。自分は働いてたいした給料ももらっていなくて、節約しているのに、母子加算がなくなるから、回転寿司で40皿食べれなくなるなんてふざけるなという批判もでていました。

しかし、皮肉な事に2009年の秋に自民党から民主党に政権交代がおき、鳩山内閣のもとで、長妻厚生労働大臣が、すぐに母子加算を復活しました。選挙の時にかかげた公約をほとんど守れなかった民主党ですが、この母子加算の復活についてはものすごいスピードで、復活させました。だから、くだんの母子家庭も今ごろは、月に1回、回転寿司で40皿ぐらい、みんなで食べているのではないでしょうか。

生活保護費で寿司を食べるのは可能でしょうか。(しかも40皿)

現代において、寿司を食べるというのは、贅沢なのでしょうか。まず、生活保護制度の基本となる健康で文化的な最低限度の生活とは、文化の発達、国民経済の進展その他多数の不確定要素を総合的に考えて決めるものとされています。例えば、昭和30年頃であれば、テレビはとても一般家庭には手に入らないものでしたが、現代において、テレビのない一般家庭というのはほとんどないでしょう。しかも今のテレビは液晶がほとんどです。生活保護受給者でも液晶テレビを持っている人はいます。えーと思うかもしれませんが、それが実態です。つまり、時代によって、最低限度の生活というのは変わっていくわけです。

だから、寿司についても、スーパーに行けば、数百円で一人分のにぎり寿司を買う事はできます。つまり、今の時代、寿司を食べる事は、一般世帯でも可能なわけです。回転寿司も安いところがどんどんできていますから、別に金持ちでなくても回転寿司へ行く事は可能です。だから、生活保護受給者の母子家庭であれば、最低生活費は家賃が5万円として、子供2人いれば、月額25万円は支給されるでしょう。(地域によって違いますが、都市部ならこのくらい支給されます)月に1回、回転寿司で40皿食べる事は可能ですし、現代において、特別、贅沢というわけでもないでしょう。もちろん、感情論は否定できません。税金で生活しているのに、外食で、しかも寿司を40皿も食べるとはふざけるなという人もいると思います。しかし、最低生活費の範囲内で、生活を切り詰めて、その結果、月に1回、回転寿司を食べにいき、そこで40皿、食べたとしてもたいした問題ではないでしょう。

ただ、問題なのは、最低生活費以上の生活をしてしまった結果、月末になり、お金がなくなり、このままでは食べるお金がない、何とかしてくれと市役所になきつくパターンです。例えば、寿司を例にとれば、毎日のように、普通のすし屋で、上寿司を食べていれば、お金はなくなります。こういう人はたまにいます。市役所としては、厳重注意しますが、死んでしまったらもともこもないので、社会福祉協議会というところをとおしてお金をかしているようです。そして、次の生活保護費を支給するときに返させます。いわゆる浪費は、金銭管理がきちんとできていないという事で問題になります。だから、最低生活費の中でやりくりしている分には寿司を40皿食べようが問題なく、現代においては可能でしょう。

生活保護受給者で寿司をいつも40皿ぐらいたべているのはどうなの?

それでは、月1回、楽しみの一つとして、回転寿司で、40皿くらい食べるのは、複数世帯であれば、問題なく可能でしょうが、しょっちゅう、やっているとするとどうなるのでしょうか。例えば、子供がたくさんいる世帯だと、月の生活保護費が40万円くらいもらえる世帯もあります。それでも、しょっちゅう、回転寿司とはいえ、40皿以上食べているとすると生活保護費以外からもお金が入っているケースが考えられます。いわゆる不正受給です。例えば、障害年金や遺族年金の場合、市役所が不正受給で調査する課税調査にはひっかかりません。また、母子家庭の場合、こっそり前夫から養育料をもらっているケースがあります。ただし、このようなケースは、今後は見つかる可能性があります。なぜならば、毎年、生活保護受給者が持っている口座の預金通帳の写しを提出させる市役所が増えているからです。これは、会計検査院の指摘によるものです。

ただし、友人の仕事をこっそり手伝って、40皿分の寿司をおごってもらうとか、養育料を手渡しで渡されている場合はわからないでしょう。市役所は警察や税務署ではありませんし、そもそもそういった事を調査する能力がありません。

まとめ

生活保護を受けていて、支給された生活保護費の範囲内で、回転寿司へ行ったりして、40皿の寿司を食べる事は何も問題ありません。感情論にとらわれずにきちんとした知識を身につける事が生活保護では重要です。また、それが、生活保護を受けている人もしくは、これから受けようと検討している人にとっては大切なのです。分からないことは、コメントください。

 

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